長期金利の上昇ペースが速まる可能性も
10月26日、しんきんアセットマネジメント投信株式会社チーフエコノミスト、宮嵜浩氏は10月29日 ~ 11月2日の投資環境について発表した。
日銀は今週、追加緩和に踏み切る見通し。景気後退局面入りの可能性もあるなか、政府・日銀は一体となって景気のテコ入れを図る必要がある。しかし、政府が景気対策を優先して解散・総選挙を先送りすれば、野党が反発して特例公債法案の審議が滞る可能性があり。目先は長期金利の急上昇に十分な警戒が必要。
(しんきんアセットマネジメント投信株式会社・最新投資レポートより)
【株価 : 底堅い】
米企業決算の内容がさえないので、米国株がやや軟調。日本株が比較的堅調な理由は、日銀の追加緩和観測と、それを受けた円安・ドル高の進行。
米国については大統領選後に「財政の崖」への対処が進むとの期待感高まり、米国株への下落圧力も徐々に後退。日本の景気対策への期待感もあり、今週の日本株は底堅い展開が予想される。
【長期金利 : 上昇 】
市場の関心は追加緩和の「内容」に移りつつある。日銀が、市場の予想を上回る追加緩和に踏み切る可能性がある。買入増額の対象が国債のみならずETFやリートにまで拡大すれば、資産価格の押し上げを通じた景気持ち直し観測が強まる。今週は長期金利の上昇が予想される。
【 為替 : 円安・ドル高へ】
米国が金融政策の現状維持を決めた一方、日本は追加緩和が市場のコンセンサスとなっているが、市場予想どおりの結果であっても、円安・ドル安の動きは持続する可能性がある。
日銀は事実上の物価目標を導入したことで、米国流の積極緩和スタンスに転じざるを得ない。デフレ脱却を実現しなければ財政再建(増税)がとん挫する。今週の決定会合後も、追加緩和観測は沈静化しそうにない。
しんきんアセットマネジメント投信株式会社・最新投資レポート
http://www.skam.co.jp/pdf/weekkeizai_20121026.pdf