長期は5段階、自国は1段階の引き下げ
2012年11月27日、格付け会社フィッチ・レーティングスはアルゼンチンの外貨建て長期発行体格付けを5段階引き下げ、「B」から「CC」とした。自国通貨建て長期発行体格付けは1段階引き下げ、「B」から「B-」に。格付け見通しはネガティブとした。
この引き下げは、アルゼンチンで2002年に発生したアルゼンチン債の債務不履行(デフォルト)の際、債務再編を拒否した債権者に対し米国連邦地裁が下した判決の影響で、デフォルトの可能性が高まったことによるものだ。
米国連邦地裁は債務再編を拒否した債権者に対しても債務再編に応じた債権者と同様に支払いを命じる判決を下した。しかし、28日に米国控訴裁判所が米連邦地裁の判決に緊急中止命令をくだし、2013年までアルゼンチン政府に返済の猶予を与えた。
新生インベストメントがレポート
新生インベストメント・マネジメント株式会社は、この格下げに関連して、「エマージング・カレンシー・債券ファンド」臨時レポートを発表した。
エマージング・カレンシー・債券ファンドには毎月分配型、一年決算型、新エマージング・カレンシー・債券ファンド毎月分配型がある。いずれもアルゼンチンはエマージング債券インデックスの構成国ではなく、投資先ファンドの債券や通貨にも組み入れられていないということだ。
レポートでは2012年9月18日現在の運用会社からのコメントとして、
米国連邦地裁の判決を受けてアルゼンチン債は大きく下落しており、すでにディストレスト(財務面から危機に陥っている債務のこと)という水準に達しています。また、今後の見通しは極めて不透明で、ファンダメンタル・リサーチを行い、投資判断をする状況にないと考えています。
とし、さらに
アルゼンチンの問題は完全に同国固有の問題で、他のエマージング諸国のファンダメンタルズや現地通貨建てエマージング債券市場の投資家センチメントに影響する可能性は低いと考えています。
と述べている。
アルゼンチン格付けを「CC」に引き下げ、デフォルトの可能性高まる 【ロイター】
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/エマージング・カレンシー・債券ファンド(毎月分配型)臨時レポート
http://www.shinsei-investment.com/pdf/emerging_report_121130.pdfエマージング・カレンシー・債券ファンド(1年決算型)臨時レポート
http://www.shinsei-investment.com/pdf/emerging_ichinen_report_121130.pdf新 エマージング・カレンシー・債券ファンド(毎月分配型)臨時レポート
http://www.shinsei-investment.com/pdf/emerging_new_report_121130.pdf