レアル相場はどうなるか
総合金融情報サイト、モーニングスター社の「アナリストの視点(ファンド)」。2012年12月20日付の記事では、ブラジルの「利下げ」打ち止めか、レアル=円・40円を回復というタイトルで、レアル相場について触れられている。
ブラジル関連ファンドは、高利回りが注目され根強い人気がある。通貨の相場はファンドの人気に大きく関わるが、ブラジル金融当局のレアル相場に対する姿勢が、インフレを警戒し変化。
そのため12月初旬以降のマーケットでは、昨年7月以降続いてきた対ドルでのレアル安トレンドに変化をもたらすかもしれないという空気が感じられるという。
ブラジルの金融政策
ブラジル中央銀行は今年10月に政策金利を0.25%引き下げ、7.5%から7.25%へとした。また11月28日の金融政策決定会合では金利の据え置きを決定。これは政策委員の全員一致で決議された。この間に達した利下げ幅5.25%は、リーマンショック当時の引き下げ幅5.0%を上回るものとなった。
昨年9月から今年10月までの金融緩和はレアル安を通じての景気浮揚効果を目指すもので、ブラジル財務相やブラジル中央銀行は事実上のドル買い・レアル安介入を何度も行っている。
だが11月下旬の金融政策決定会合では、インフレ抑制に向けた姿勢を打ち出し、この前後からはドル売り・レアル買い介入を実施している。
レアル買いの介入水準から、ブラジル中央銀行は1ドル=2.0~2.1レアル程度での安定した相場形成を狙っているようだ。
記事内では
おそらく2013年1月15-16日に開かれる次回のCOPOMでは、引き続き金利が据え置かれるだろう。同時に、声明文の中で「インフレ問題」へ言及のトーンがこれまでより強まるようだと、将来的な「利上げ」の含みを感じ取ったマーケットではレアル買いムードが広がることになりそうだ。
と述べている。
また、レアル・円相場のトレンドにも変化が現れ始めているということだ。レアルは12月14日に1レアル=40.39円と5ヶ月ぶりの40円台に乗り、19日には40.80円を記録しているが、
41円-42台に乗せると、十分すぎるほどの底もみゾーンからの離脱となって、レアル高・円安へのバイアスが強まる公算が大きい。
としている。
モーニングスター アナリストの視点(ファンド)
http://www.morningstar.co.jp/fund/analyst/2012/4q/