200円から150円へ引下げ決定
三菱UFJ投信株式会社は20日、同社の取り扱う追加型投資信託「三菱UFJ新興国債券ファンド 通貨選択シリーズ<ブラジルレアルコース>(毎月分配型)」について、ファンド臨時レポートを発表した。それによると、分配金の引下げを決定したという。
同ファンドは2012年12月20日に第42期の決算を迎えた。これに伴い、分配金額をこれまでの200円から150円(いずれも1万口当たり・税引前)へ引下げることとした。これにより、分配金再投資後の設定来基準価額は70.6%の上昇となったという。
(レポートより参考資料図)
ブラジルの金利低下で為替ヘッジプレミアム減少
引下げを決定することとなった主な要因は、ブラジルの金利低下により為替ヘッジプレミアムが減少したことなどがある。そのためファンドのインカム水準が低下、これらの状況と基準価額水準等を勘案して、分配金を引下げ、引下げた分をファンドの純資産に留保、信託財産の成長を目指すこととしたという。
今後については、新興国では中長期的にみると中間・富裕層の増加を背景とした力強い内需に支えられて経済が拡大し、先進国を上回る経済成長を達成するものと考えられるとしている。加えて、新興国の財政状態は相対的に健全であり、政策金利の水準も高いことから、財政および金融政策の余地は残されており、今後の経済的なショックに対する耐性も、先進国と比較して相対的に強いとみられるという。
一方、先進国には「過剰債務と成長力不足」という深刻な構造問題が残存し、欧州債務問題等、抜本的な解決には時間を要すると予想されるほか、解決の過程では市場の変動性が大きく高まる可能性もあり、新興国への影響も含めて注視する必要があるとまとめている。
よって同ファンドでは、今後の運用では、財政状態の改善が続き、潤沢な外貨準備高を有するブラジルやロシアといった国々への投資を積極姿勢とするとしている。逆に、ファンダメンタルズが脆弱で、かつ対外資金への依存度が高いハンガリーなどは、外部環境からの影響を受けやすい点も考慮し、消極姿勢とするという。また財政問題が懸念される欧州周辺国と貿易や金融面でのつながりの強い国々について、動向を注視していくとしている。
三菱UFJ新興国債券ファンド ブラジルレアル 臨時レポート
http://www.am.mufg.jp/text/ファンド情報 : 三菱UFJ新興国債券ファンド
通貨選択シリーズ<ブラジルレアルコース>(毎月分配型)
http://www.am.mufg.jp/fund/250817.html