財務省が2日発表した7~9月期の法人企業統計によると、金融保険業を除いた全産業の設備投資は、前年同期比 5.0%増の9兆5500億円となり、3年半(14期)ぶりの増加となった。
設備投資の内訳では、製造業の設備投資額が前年比で9.1%増と2年3カ月(9期)ぶりの増加に転じ、非製造業も2.9%増と3期連続しての増加となった。全産業の前期比は、1.9%増(季節調整済み、ソフトウエア除く)と2期連続して増加している。
設備投資が持ち直すも回復テンポは緩慢に推移
ここにきて企業の設備投資が持ち直しに転じたことが確認された格好だが、投資額は金融危機前の7割程度にとどまっていて、回復のテンポは緩慢だ。財務省では、設備投資は景気に遅れて動く遅行指数とし、今の経済環境を反映したものとは見ていない。
製造業では、電気自動車などのエコカー開発やリチウムイオン電池に加え、スマートフォン向けのフラッシュメモリーなどの関連投資が増加したが、石油および石炭関連の投資は減少している。また非製造業では、百貨店の増床などが寄与している。
一方、全産業の売上高は6.5%増(3期連続増)、経常利益は54.1%増(4期連続増)で、伸び率はいずれも前期より縮小している。これには、ドル/円相場が85円前後と前年同期より円高に推移したことも影響したとみられる。
財務省
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