新薬企業とジェネリック医薬品企業の補完
沢井製薬株式会社(以下沢井製薬)がキョーリン製薬ホールディングス株式会社(以下キョーリン)に対し、経営統合の提案をすることを12月2日開催の取締役会で決議した。
同案は2011年2月末日までに経営統合の合意に達することが前提となっている。沢井製薬に対しキョーリン側から同日までに回答がない、あるいは両社が合意に達しなかった場合は失効する。
薬価引き下げと新薬開発のコスト増に苦しむ国内製薬業
日本国内における製薬産業は決して良い環境下にあるとは言えない。長引く不況による国家財政の逼迫と超高齢化による医療費の増大が、薬価を引き下げる要因ともなっている。
昨今では新薬の材料となる化学品の発見が困難になり、一方で新薬承認の基準も高くなっているため、開発にかかる予算は増加の一途をたどっている。
こうした状況のもと沢井製薬は、有力な新薬企業と大手のジェネリック医薬品企業が連携することで、日本の製薬市場にマッチした新しい企業像を描こうと考えている。
両社間の前向きな協議はいまだなし
沢井製薬はこうした認識に基づき、すでにキョーリンの株式の約4.8%を取得し、戦略的経営統合についてキョーリン側に打診している。だがキョーリンからの前向きな回答は得られておらず、現時点では両社は経営統合に向けた前向きな協議に至っていない。
沢井製薬
http://www.sawai.co.jp/press/2010/pdf/20101202.pdfキョーリン製薬
http://www.kyorin-pharm.co.jp/