東日本大震災により、石油元売り大手の一部製油所が操業停止に追い込まれたことで、ガソリン不足が関東地方以北を中心に深刻化している。
製油所操業停止で、元売りの供給量不足が当面継続
都内では、ガソリンが底をついたとして臨時休業する店や「ガソリン売り切れ」の看板を出すスタンドも出ている。元売りからの供給量が、通常の6割程度に絞られているといい、関東、東北、北海道で同様の事態となっている。
元売り最大手のJX日鉱日石エネルギーは、地震の被害を受けた仙台製油所(宮城県)、鹿島製油所(茨城県)での損傷が大きかったことから操業再開の目途が立っていず、根岸製油所(神奈川県)でも陸上出荷は再開したものの、設備は点検中で創業再開は来週中としている。
またコスモ石油は、地震で千葉製油所が爆発・炎上するなどの被害を受けて操業を停止している。各社とも今回の震災によって緊急停止した製油所については、安全点検の後に稼働することになるが、それには2週間以上かかるとのことだ。
備蓄の一部放出から早晩、流通も正常化に!
石油連盟では、政府が14日に石油製品の法定備蓄量を70日分から67日分に引き下げたことから、精製会社各社が備蓄しているガソリン流通も回復が見込めるため、被災地などを除くと落ち着く日はそう遠くないとし、問題は消費者の「買い溜め」としている。
災害からの復旧に向けては、石油製品は生活に直結するだけに、政府には的確な判断・対応と、消費者の冷静・沈着な行動が望まれる。
石油連盟
http://www.paj.gr.jp/JX日鉱日石エネルギー
http://www.noe.jx-group.co.jp/emergency/index.html