東京電力は、電力不足の改善に向け、休停止している火力発電所の復帰や、新たな火力発電所の建設を表明しているものの、今夏のみならず今冬の電力需要に供給が追いつかず、計画停電を当面続ける必要性があるという。
東日本大震災の津波の影響から、原子力発電所はもとより、福島・茨城両県にある大規模火力発電所の損壊が甚大で復旧見込みが立たず、産業界への長期的な影響は避けられそうもないからだ。朝日新聞が報じている。
<写真は、
鹿島火力発電所(東電資料より)>
震災で1,700万kWが停止。4月中復帰は500万kW分止まり
震災により東電管内では、福島第1・第2原発の計10基(909.6万kW)と火力13基などが停止したため、19日時点の供給能力は約3,500万kWと震災前の約5,200万kWから大きく低下し、平年の3月ピーク需要(4,700万kW)に対応できなくなっていた。
被害が判明した発電所は、広野火力と常陸那珂火力で、発電設備や燃料貯蔵施設が津波で壊れたもの。両発電所の合計出力は480万kWという。
一方、4月中に復帰を見込んでいるのは、鹿島(320万kW)・東扇島(100万kW)などの500万kW分で、現状では4,000万kW止まりとなる。このほか、可能な範囲で他電力会社からの電力融通(西日本より100万kW、北電より60万kW)やガス会社からの買い取りを進めても5,000万kWに届かず、夏場のピーク需要には1,000万kW以上、また冬場に向けても不足する状況としている。
東電では、ガスタービン発電所(出力約30万kW/基)の新設などを検討しているが、需要と供給には相当の開きがあり、当分の間は、計画停電を含む電力需要抑制策が避けられない見込みだ。
東京電力(株)
http://www.tepco.co.jp/index-j.html朝日新聞
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