新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は5月31日、欧州連合(EU)の欧州委員会と共同し、世界最高効率の太陽電池を開発すると発表した。
2008年に合意した日・EUエネルギー技術協力に基づく初の共同プロジェクトで、セル変換効率45%以上を目指した集光型太陽電池の技術開発に着手するという。
この方式は、太陽光をレンズや鏡を使って小面積の太陽電池に集光することで、高い変換効率を実現するもの。このため小面積で済むことから、少ない材料で高効率に発電することができるメリットがある。
日・EU6カ国の産学官共同による早期実用化に期待
さらなる変換効率の向上とコスト低減に向けた技術開発を行うため、2014年度までの約4年間、日本政府が約6億5千万円、EUが約6億円を拠出し、日・EU計6カ国の産学官の研究機関が共同で行うこととしている。
日本側は山口真史 豊田工業大学教授を研究開発責任者とし、シャープ(株)、大同特殊鋼(株)、東京大学、(独)産業技術総合研究所等が参加。またEU側は、アントニオ・ルケ マドリッド工科大学教授(スペイン)を研究開発責任者として、ドイツ、イギリス、イタリア、スペイン、フランスの研究機関等が参加する。
集光型太陽電池は、日照の少ない地域への応用など次世代技術として注目され、日本メーカーも研究レベルでは40%を超える変換効率を達成していることから、早期の実用化が期待されるが、今のところ25年を目途としている。
発表内容
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100018.html(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
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