ルーフに有機太陽電池などエネルギー効率を追求
独ダイムラーとBASFは1日、電気自動車(EV)のコンセプトカーとして、「smart forvision」(スマート フォービジョン)を共同開発、9月13日から開催の「2011年 フランクフルト国際モーターショー」で初公開すると発表した。
smart forvision は、ルーフに透明な有機太陽電池を採用するほか、省エネ型の透明発光ダイオード、赤外線反射膜・塗料、断熱・断冷用高機能発泡体を使用しエネルギー効率を追求している。また史上初となる完全プラスチック・ホイールを採用した軽量設計など、各分野での全く新しいコンセプトを織り込んだモデルとしている。
太陽電池の透明な染料は光で起動し、薄暗い状況でもマルチメディア機能と車内の温度・湿度管理をサポートする3つの換気システムを稼働するのに必要なエネルギーを生成する。このため自動車が陽のあたる場所にさえあれば、太陽電池により継続しての換気が可能で、自動車の冷却状態が維持されるという。
高機能素材採用で大幅軽量化、断熱温度管理など
またBASFが開発した高機能素材の炭素繊維強化エポキシ樹脂は量産が可能で、ホイールやドア部品にも採用、大幅な軽量化と独自のデザイン性を図った。これにより、鋼との比較で50%以上、アルミニウムとの比較では30%の軽量化を実現している。
このほか、通常の自動車の暖房・空調システムは多くのエネルギーを消費するが、熱放射を反射するためのウィンドウのポリマー薄膜や高性能の断熱材などを用いた総合的な温度管理システムの活用で、車内の暖房・冷却に必要なエネルギー量を削減可能という。
そして、現在のバッテリー駆動EVでは走行距離が問題となっているが、コンセプトカーに搭載された全てのテクノロジーが一体となることで、走行距離は最大20%延長が可能としている。
共同発表プレスリリース(邦訳)
http://www.japan.basf.com/apw/Japan/Japan/ja_JP/function/conversions:/publish/Japan/upload/new/Press2011/2011_09_01_smartforvision_BASF_J.pdfDAIMLER Global Media Site
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