アメリカ経済のトップ
オバマ政権を支えるトップアドバイザー、経済学者Lawrence Summers氏。彼のスピーチについての米ウォールストリートジャーナル紙のブログを紹介する。
初の超党派財政委員会の開催を受けて発言する大統領
変わらぬ問題 財政赤字
赤字に対する見方として、経済成長のため、財政面でのアルマゲドンを防ぐため、もしくは国の支払い能力を維持するために予算のマイナスを減らそう考える経済学者たちがいる。
それに対し、赤字は、景気の後退を防いで、公的投資を促し、成長を促進するために拡大する必要があると考える立場がある。
そして、その両方を適宜使い分けようとする、戦後のトルーマン政権下の伝説的な二刀流の経済学者たちのような存在である。
これからの見通し
今年度の財政赤字額は、約1兆5000億ドル(GDP比約10%)とされているが、回復傾向にある経済とオバマ政権の政策によって、将来はこの半分にまでカットできるだろうというのがSummers氏の見解。
そうなったとしても、GDP比に換算すれば、4%から5%という数字になり、国債と我々の収入の比率としては決して歓迎できるものではないようだ。
自らを二刀流の経済学者と捉えているSummers氏はこう語っている。
「現在の景気状況の深刻さと直面している財政課題の重要性、この双方を強調しておきたいのです。それぞれを都合よく切り離して解決するなんてことは不可能ですよ。」
Summers氏の処方箋
Summers氏は次のように提案する。
(1)景気回復策として有効なものを、できる限りすべて行う。
(2)赤字削減のためには強硬策も必要。つまり財政刺激策の期間が終了してしまえば終わりということではない。
(3)ヘルスケアのコストねん出のための枠組みを組み込む。
(4)超党派の大統領財政委員会を中心とした超党派のプロセスに従う。
加えてSummers氏の予測では、赤字額約3000億ドル(GDP比2%)まで持っていくことができれば、アメリカは持続的な財政策をとることが可能になるそうだ。
THE WALL STREET JOURNAL Blog / REAL TIME ECONOMICS 'Summers: The Fiscal Questions Don’t Change, The Answers Do.'
http://blogs.wsj.com/economics/2010/05/24/summers-the-fiscal-questions-dont-change-the-answers-do/