影響大!ユニクロ、トヨタ、ソニーの未来
中華人民銀行が発表した人民元の切り上げにより、多くの日本企業が影響を受ける。
ユニクロなど中国を生産拠点とする製造小売業は、採算の悪化が予測される。しかしユニクロは、人民元切り上げを見越してベトナムやバングラディッシュへ生産拠点を移し、将来的には中国の生産比率を2/3以下にする方針。
一方日本から部品を輸出する自動車業などにとっては、メリットが大きい。電機メーカーも中国国内での販売に好影響が出るとみている。むしろ大手製造業者にとって頭の痛い問題は、相次ぐストライキによるコストアップだ。経済が成長している以上人件費の高騰は仕方ないこととして、労務対策を余儀なくされそうである。
大手銀行に広がる元建て決済
中国で事業展開する企業の多くは、今までドルで決済してきたが、元での決済が広がっている。大手銀行では元建て決済サービスを導入し、顧客企業への働き掛けや、現地での情報収集に努めている。
中国の日本買い進む
元高で中国企業による日本企業の買収や、資源の買い占めが加速する可能性もある。中国企業にとって日本の技術やブランド力は魅力的。購買力がアップすることは、日本企業には脅威である。隙を見せないためにも株価上昇対策にも取り組みが始まっている。
日本企業以上に中国が欲しがっているのは資源だ。今年の中国企業による海外企業買収総額のうち、石油や鉱物資源関連が4割を超している。中国による買い占めが進めば、日本の安定調達に影響が出るほか、原材料価格が高騰して収益が圧迫されるとの懸念が出ている。
世界経済の均衡のために必要な中国元の切り上げだが、市場もマンパワーも巨大なだけにバランスが重要である。
中華人民銀行(中国語)
http://www.pbc.gov.cn/