財政再建に必要なのは?
ヨーロッパ各国で次々と明るみに出ている予算トラブル。これらを観察すれば、経済回復にはどのような政策が効果的であるかという議論において、放任資本主義が一歩リードしたようにも思える。
しかしグローバルに見れば、国家財源がやせ細った状態にあっても、堅実な国家運営を維持できている国が多いのも事実だ。
ヨーロッパでは、EUの「欧州2020」の経済対応課題の一環として、各国の通商や産業の担当大臣たちが政府主導の成長戦略に基づいた政策により事態をコントロールしようとしている。
中国では、安価な太陽光パネルや風車を生産するための強大な工業ハブへ公的援助が行われている。
韓国では政府の5カ年計画に、太陽光バッテリーとハイブリッド車の生産拡大に2009年のGDPのおよそ10%に当たる850億ドルの予算が組み込まれている。
どうなる?イノベーション国家戦略
しかし、旧態依然、投資銀行家たちに支配された経済チームを持つオバマ政権では、長期的な成長革新に向けて協力体制が整っているとは言えない。昨年発表されたイノベーション国家戦略下にあっても、政府支援の投入は「選ばれた一部の者」だけに与えられる特権として敬遠されているのだ。
政府からの支援が得られないとなると、アメリカのイノベーターたちに明るい未来は保障できない。技術関連の公共政策推進を目的とする非営利団体Information Technology and Innovation Foundationが行った最近の研究によれば、過去7年間、中国で行われた政府主導の研究開発は、アメリカと比べて20倍のペースで増えているという。また、アメリカとEU諸国間に存在していた格差も縮まってきているという。
現在の風潮
ワシントンだけが成長革新の風潮を遠ざけているのは、ワシントンだけではない。何十年も経済界をリードしてきたウォール街の重鎮たちと経済学者たちのおかげで、まだまだ自由市場信奉者たちの壁は強固。
その結果が、現在の「イノベーションを引き起こすために必要とされる一連の政策」が欠落した、均質化した経済思想であるとイノベーションリサーチャーで、元ジョージタウン大学ビジネススクール教授Ken Jarboe氏は語る。
THE HUFFINGTON POST 'How Free-Marketers Came to Rule'
http://www.huffingtonpost.com/roya-wolverson/how-free-marketers-came-t_b_587629.html