外国為替資金の評価損過去最大
円高の影響を受けて財務省が為替介入の為に管理している外国為替資金特別会計(外為特会)の評価損益が過去最大の約30兆円に膨らんでいる。米国債を中心にドル建て資産が円換算ベースで目減りしている。損失処理に備えて貯め込んできた積立金は約20兆6千億で、実質約10兆円の赤字となっている。
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霞が関埋蔵金枯渇!?
外為特会の積立金はいわゆる「霞が関埋蔵金」で、10月の事業仕分け第3弾の仕分け対象となっている。多額なだけに最大のターゲットとなることは間違いないが、評価損の拡大を理由に財務省が取り崩しに抵抗するのは確実と見られている。
外為特会では毎年米国債の利払いの運用益などで毎年2~4兆円の余剰金が発生している。これを積み立てたものが積立金であるが、評価損との差額は21年度で5兆7千万円。1ドルが85円付近となった最近では赤字が増加する一方である。
政府は事業仕分け第3弾で過剰に貯め込まれた余剰金を切り崩して政策の財源を捻出したい考え。外為特会の評価損はあくまで見かけ上のものであり、すぐに処理する必要はない。毎年余剰金も出ている。22年度予算では21年度の余剰分2兆5千億円を税外収入として流用しており、有力財源として期待は大きい。
じかし、管総理が「外為特会の活用は国の財政全体でみるとプラスにならない」と財務省よりの考え方であるため、仕分けは難航しそうだ。
財務省 外国為替資金特別会計
http://www.mof.go.jp/jouhou/kaikei/tokkai/160311c.htm