このところの外国為替相場は、米欧経済の不安再燃から直近では一時83円/ドル台に達し、15年ぶりの円高水準となっている。
そこで
帝国データバンクは、内需が低迷し外需頼みが続く日本経済について、現状の円高が定着すると景気悪化懸念も出てくることから、円高に対する企業の意識調査を行ったという。
回答企業数は1万1,578社(回答率50.9%)で、調査期間は円高の進んだ8月19日~31日に行われた。
海外との取引がある企業は全体の約3割であったが、そのうち、「輸出」を事業としている企業は約6割、「輸入」は約8割、「海外生産」を行っている企業は約4割だったという。
円高は、売り上げに「悪影響」36.7%、「好影響」6.9%に
この結果、円高が自社の売り上げに「悪影響」を与えると回答したのが36.7%と全体の4割近くとなり、輸入品が安くなるなどで「好影響」と答えたのはわずか6.9%だったという。
特に影響を受けない企業も34.9%と、悪影響を受ける割合とほぼ同程度で、取引がないか輸出入での相殺やリスク回避策が行われているようだ。
「悪影響」を業種別でみると、製造業、中でも機械製造業などが6割超となり、運輸・倉庫業も4割超と高かったとのこと。
仕入れ増や海外生産拡充など、何らかの円高対策に
そして、海外との取引がある企業3,524社に対し、円高対策を複数回答で聞くと以下のようで、海外からの仕入れ増など何らかの対策を考えているとみられる。
19.2%「海外調達を増やす」
18.9%「円価格を維持する」
17.2%「輸入を拡大する」
16.5%「為替変動のリスク回避行動」
14.1%「円価格を引き下げる」
また海外事業として「輸出」を行っている企業2,018社については、
25.6%「円価格を維持する」
10.1%「海外生産比率を上げる」
9.2%「海外生産拠点の拡充・新設」
など、輸出企業の約1割が海外生産拡充を考えているようである。
帝国データバンク
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