介入は成功するか?
9月15日の日本政府による大規模な円売り介入は、「何もできない」「弱腰」などと見られていた菅政権に対する世間の見方を一変させた観がある。しかし、政府による円安誘導はこのまま成功するのか。海外の専門家の見解を紹介したい。
鉄則破りの日本政府
「日本は多くのミスを犯し、かつ鉄則まで破った」と断じるのがブルームバーグのコラムニスト、ウィリアム・ペセック氏。
ペセック氏は今回の政府の対応に対し、日本の単独介入であること。政府高官が自ら、米国のFRBや、欧州のECBが必ずしも協力的でないと、受け取れることを語ったこと。
さらに低金利の日本円でお金を借り、それを高利回りの資産に投資する円キャリートレードの兆候も収まらないこと。日本は何年も貿易黒字国であり、黒字国の通貨は値上がりしやすいこと。
そして何よりも、投資家たちに対して、政府介入の水準を教えてしまうという、鉄則破りの行動に出たこと。
これらを1つ1つ挙げたのち、最後にペセック氏は、「これらの対応は投機家たちに招待状を送ったも同然である」と痛烈に結んだ。日本国民としては、介入の成功を祈るばかりだが…。
編集部 宗近 明
Bloomberg.co.jp
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