2009年 国内化粧品市場は2.3%縮小
(株)富士経済が、2009年の化粧品の国内市場の調査結果を9月16日に発表した。調査となった期間は2010年年1月~5月。
それによると09年の化粧品の国内市場規模は2兆1,799億円。前年比2.3%減。10年は前年比98.5%で2兆1,479億円となることが予想される。
09年は世界同時不況に日本も巻き込まれ、国内消費も冷え込んだ。化粧品も買い控えや低価格商品へのシフトが顕著となり、化粧品市場の規模を縮小させる結果となった。前年比2.3%減は、01年以降最大の落ち込み幅。
10年も市場環境の厳しさは続き、前年比1.5%減、3年連続の縮小が見込まれる。
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2009年 価格帯別市場
価格帯別にみると高価格帯では09年は前年比0.7%減。10年は同0.4%減で、微減に留まる見込み。高価格帯には消費者の高支持を得ているヒット商品がいくつもあり、それらが下支えとなった模様。
中価格帯はスキンケア、ベースメイク、ポイントメイク、ヘアケア・ヘアメイク、ボディケア、フレグランスの全てカテゴリで売り上げが減少。04年以来の1兆円割れとなった。高価格帯、中価格帯、低価格帯の3分類で、中価格帯の落ち込み幅が最も大きい。09年は前年比3.8%減、10年は同2.2%減が見込まれる。これは中価格商品の利用者が低価格商品へシフトしたため。
低価格帯はスキンケア、ベースメイク、ヘアケア・ヘアメイク、ボディケアなどが減少。一方、ポイントメイクとメンズコスメティックスは微増。
消費者の低価格志向が強まっているので、低価格帯市場は拡大するのではと期待されたが、09年は前年比1.2%減。10年も同1.2%減となる見込み。低価格商品からさらなる低価格商品へのシフトや買い控えが原因で低価格帯市場も規模を縮小させた。
高価格帯は微減、中価格帯は落ち込み幅が多い、低価格帯は減少という結果をみると、化粧品市場においても高額商品と低価格商品の2極化が進みそうな流れとなっている。
2009年 販売チャネル別では通信販売が好調
09年の販売チャネル別では、上位3チャネルは、1位がドラッグストアの6,019億円。これは全体の27.6%を占める。2位が量販店の2,844億円で全体の13.0%。3位が通信販売の2,700億円で全体の12.4%。
通信販売は前年比13.2%増と全販売チャネルで唯一増加。化粧品店、薬局・薬店を上回る販売チャネルとなった。通信販売市場は10年には前年比5.1%増の2,837億円になり、序列も、1位 ドラッグストア、2位 通信販売、3位 量販店の序列となる見込みだ。
株式会社富士経済
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