ドイツは景気回復!?
産業ロボットの大手メーカー独KUKA社の発表した最新の決算報告は、良好なものだった。KUKA社によると、先月の売上は金融危機以前の水準を超えたという。一方、競合する日本企業は、世界的な景気低迷が機械工業へ波及する以前の2008年初頭と比較して、3分の1以下に落ち込んだままである。
欧州自動車メーカーからの発注が急増したことがKUKA社の業績回復に繋がった。対円でユーロ安が進行したことも昨年とは違い、日本の競合企業に対して価格的に優位となった。
欧州企業は、国際貿易の基軸通貨であるドル為替レートを重視する傾向があるものの、近頃の円高は好調な輸出に一役を買っている。
ドイツ輸出企業の現況
トヨタのシェアを奪ったフォルクスワーゲンの広報担当者は、シェア拡大は円高によるものではなく、品質面によるものとしている。多国籍企業の大半は、為替変動対策のため世界各地で製造を行っており、KUKA社は、ドイツ国内やハンガリーの他、上海でも製造。日本からは部品を輸入している。
ドイツの建設機械メーカー、リープヘル社は、競合している日本のタダノ社がドイツで製造を展開しているため、円高による利益は享受できていないという。それでもやはり、15年ぶりの円高水準をつけた日本では、為替は敏感にならざるを得ない問題となっている。
NY Times
http://www.nytimes.com/2010/09/03/business/global/03yen.html?_r=2&ref=businessKUKA
http://www.kuka-robotics.com/germany/en/start.htm