日通総合研究所が9月22日、「2010年度経済と貨物輸送の見通し(改訂)」を発表した。それによると、2010年度の国内貨物総輸送量は、前年比2.4%減、11年連続でマイナスとなる見通しだ。
業種別貨物の動向
消費関連貨物は個人消費がいくぶん強まり、夏場の猛暑効果もあって1.5%プラスとなった。
生産関連貨物は設備投資や鉱工業生産がプラスに反転、化学製品は堅調に推移。機械類や鉄鋼なども盛り返すものの、石油製品などは依然としてマイナス。トータルでは1.3%のプラスとなる。
建設関連貨物は公共投資が1割以上落ち込み、住宅建設も振るわず、砂利・砂・石材や建設廃土などを中心に8.3%減となる。
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輸送機関別での推移
輸送機関別では、JRはコンテナ貨物が4%台半ばの増加となるものの、石油需要の低迷から車扱貨物が低迷、全体では2.4%のプラス。これは5年ぶりの増加となる。
内航海運は、上期は鉄鋼や石灰石の大幅増などを受けて高い伸びで推移した。下期は石油製品を中心に停滞が予測され、年度全体では1.9%のプラスとなる。
国内航空は、国際貨物の転送需要の増加はあるものの、一部路線の運休や減便、機材の小型化による供給力の低下があって0.8%の微増。
自家用自動車は、大きなウエイトを占める建設関連貨物が停滞するため8.3%減。営業用自動車は、消費関連、生産関連貨物で1~2%増加するものの、建設関連貨物の不調により、全体で0.8%の微増にとどまる。
日通総合研究所
http://www.nittsu-soken.co.jp/report/view/pdf/view.pdf