業況IDは前月比マイナス3.1 09年12月以来のひどさ
日本商工会議所が9月30日、2010年9月期の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果を発表した。調査期間は9月15日から22日の約1週間。調査対象は全国の2678業種組合。内訳は建設業394・製造業637・卸売業244・小売業747・サービス業656。全国の408商工会議所がヒアリングする形で調査。
全産業合計の業況DIはマイナス40.8。前月比でもマイナス3.1ポイント。3カ月ぶりにマイナス幅が拡大した。前月比で3ポイント以上悪化したのは2009年12月以来。09年12月は、景気の二番底が懸念されていたほどの不況期であった。競争激化に伴う低価格での受注、消費者の低価格志向を意識した値下げ競争により、業況が厳しさをより強めている。
業種別では製造業・卸売業・小売業・サービス業でマイナス幅が拡大した。特に製造業の下落がひどい。円高の影響で輸出や受注が減少し、1年ぶりのマイナス幅拡大となった。前月比ベースではマイナス6ポイントの大幅な悪化で、これは米国金融危機の影響による2008年11月以来の悪い数値だ。
小売業・サービス業は9月中旬まで続いた猛暑により飲料品やエアコンなどの売上が引き続き好調だった。一方で、暑さによる来客数の減少や秋物商品の売上不振などの悪影響を受けた企業も目立った。
売上DI、採算DI、資金繰りDIが9カ月ぶりに悪化
項目別では仕入単価DIが、円高による一部原材料価格の下落といったプラス要因を受けてマイナス幅が縮小。だが売上DI、採算DI、資金繰りDIはいずれも9カ月ぶりに悪化した。従業員DIでは、卸売り業・小売業・サービス業の3業種で過剰感が強まった。
公共工事の減少、低価格での受注競争の激化、エコカー補助金終了による自動車生産の落ち込み、円高の悪影響、消費の低迷などにより、先行きDIは2カ月連続でマイナス幅が拡大。先行きの懸念を訴える声が上がっている。
日本商工会議所LOBO調査
http://www.jcci.or.jp/research/lobo/2010/0930151454.html商工会議所LOBO(早期景気観測) 2010年9月調査結果
http://www.jcci.or.jp/lobo/LOBO201009.pdf