11年 中国での鉄鋼需要は伸びが鈍化 インドでは加速
世界鉄鋼協会(ワールドスチール)が10月4日、世界の鉄鋼需要の短期見通しを発表した。
それによると10年の世界の鉄鋼需要量は12億7220万トンで、3年ぶりに増加に転じる見通しだ。2010年4月時点では前年比8.4%の増加を予想していたが13.1%と大幅に上方修正することになった。これはアジアなど新興国の需要回復を受けたため。
ただし2011年は需要の伸びは鈍化し、10年の予想値 12億7220万トンと比べて5.3%増の13億3970万トンとなる見通し。鉄鋼の最大消費国の中国で不動産セクターが冷え込み、欧米や日本でも景気回復が遅れていることに起因する。
地域別の鉄鋼消費量の推移
地域別にみると中国は10年の予想値と比べて3.5%増の5億9900万トンの需要が見込まれる。09年から10年にかけての需要の伸びは6.7%だった。一方で鉄鋼の消費量が世界3位のインドは好調で、11年は13.6%増の6800万トンの需要が見込まれる。09年から10年にかけては8.2%であったので、同国の経済成長は加速が続いているといえる。
09年の日本は32.3%の鉄鋼消費の落ち込みを見せたが、10年は19.1%と回復。しかし11年は再び1.4%のマイナス。鉄鋼消費がピークであった07年の76%の水準になる。
米国での鉄鋼消費の推移は09年 36.2%の減少、10年が31.3%の増加。11年も8.7%の増加見通し。EUでは09年 35.7%の減少、10年が18.9%の増加。11年が5.7%の増加見通し。11年の米国はピークだった07年の79.7%まで回復、EUは同じくピークだった07年の75%まで回復する。
世界鉄鋼協会
http://www.worldsteel.org/index.php?action=newsdetail&latest=1&id=309