7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)などに出席のため、米ワシントンを訪問中の白川方明日銀総裁が現地時間の10日、同市内の国際金融協会(IIF)で経済政策課題について講演した。
これは、ブルームバーグなどが報じたもの。
(写真は、ホワイトハウス)
白川総裁はこの中で、かつてバブル崩壊に対処した日本の経験を紹介しながら、今回の追加金融緩和への理解を求めるとともに、先進国にとって主要な共通課題として、金融システムの安定維持の重要性や、異例の緩和的な金融政策を継続することの必要性などを訴え、5日に発表した国債やETF・J─REITなどの買入れを含む包括的な金融緩和策を紹介したという。
米国経済はバブル崩壊後の日本と酷似、日本は先駆者と
そして同総裁はまた、
「消費者物価上昇率について、バブル崩壊後の日本と2007年以降の米国を比べると、両者は驚くほど似ている。米欧諸国は日本の経験から学べるという点で優位にある。日本は孤独な先駆者だった。」
などと述べ、米国経済がデフレ傾向を強めつつある点を指摘した。なお先進国の共通課題として、
「バブルを経験した国がバブル崩壊後の落ち込みから立ち上がり、景気が本格的に回復するまでにはかなり長い時間を要する」
とし、バブル期に蓄積された過剰を一掃するための構造改革が不可欠であることを説いたという。
そしてさらに、
「日本の”失われた10年”の本質的な問題は”人口減少と生産性上昇率の低下”にあった。経済構造の柔軟性を維持することが重要だ」
などと述べている。
ブルームバーグ
http://www.bloomberg.co.jp/