インドルピーの動き
三菱UFJ投信のサイト上で公開されている10月22日付の臨時リポートでは、インドの小売規制緩和とインドルピーの見通しについて述べられている。
リポートによれば、インドルピーは、3月中旬から5月末までをほぼ下落し、一時は1ルピー=1.38円台後半まで落ち込んだ。その後、6月から9月上旬まではもみ合いで推移。
もみ合いとは、売り手と買い手が長く売買の競り合いをし、相場の方向性が定まらない状況をいう。
9月中旬からは反騰し、一時は1ルピー=1.52円台前半となり、下げ止まりの兆候がみえた。10月19日のNY市場終値では1ルピー=1.46円台後半となった。
ルピー反騰の最大の要因として、9月に即日施行された小売を中心とする外資規制緩和の決定があげられる。この規制緩和により、外国企業はこれまで出資できなかった総合小売業への投資が可能となった。
規制緩和と今後の見通し
この規制緩和には、一部に強い反対の動きもみられる。しかし今回の外資に対する規制緩和によりアメリカのウォルマートやフランスのカルフールなど海外の小売業がインドへの進出をはかり、その影響で直接投資が大きく増える可能性が高い。
インド経済にはまだ経常赤字などの問題が多いが、今回の規制緩和はインドのファンダメンタルズを改善し、インドルピーを下支えする要因になりうるということだ。
レポートは、
この規制緩和にインド政府が本格的に取り組む姿勢を示したことを受けて、2007年半ば以降続いてきたインドルピー安基調に終止符が打たれた可能性もあるとみています。
とまとめられている。
三菱UFJ投信 マーケットリポート
インドの小売等規制緩和とインドルピーの見通し
http://www.am.mufg.jp/text/20121022rinji.pdf