リッパー調査で明らかに
トムソン・ロイター傘下にある投資信託情報の調査などを行うリッパーの調べによると、11月14日までの週における米国ファンドの資金動向週間調査で、米国の株式ファンドからは資金が流出傾向に、債券ファンドへの資金は細る傾向が確認されたという。
要因はやはり「財政の崖(フィスカル・クリフ)」に対する不安があるものとみられている。財政の崖とは、減税が切れた実質的な増税と、強制的な歳出削減により、崖から落下するような急激な財政の引き締めが起こってしまう可能性があることをいう。
歩み寄り期待で改善の可能性も
リッパーのまとめた調査によると、株式ファンドは上場投資信託(ETF)も含めて32億5000万ドルの流出が記録されたという。これは前週の49億2000万ドルの流入から一転した大きな動きだ。債券ファンドへの流入額もETFを含め、2億8730万ドルと前週の61億4000万ドルから大幅に減少している。
こうした投資家センチメントの悪化が如実にあらわれる結果となったものの、財政の崖回避に向け、議会民主党と共和党が歩み寄れるのではないかという期待も出てきており、16日の米株式市場は反発して終了するなど、今後この傾向は改善へ向かう要素もみられてきている。
いずれにしても年末までに「崖」を回避する方法を打ち出せるかなど、与野党の動きが経済面から注目される状況が続いている。
ロイター ニュース
http://jp.reuters.com/article/domesticFunds/LIPPER(リッパー)
http://www.lipperweb.com/default.aspx