人気の秘密は?
野村アセットマネジメント12月12日の特集は、円ヘッジ外債ファンドへの資金流入が増加していることについてだ。
投信評価機関が注目する指標にはファンドの純資産増減がある。純資産の増加は運用増減と資金増減に大別され、資金増減で売れ筋のファンドがわかる。
世界的な景気減速懸念から、投信信託マーケット全体では過去3ヶ月で約800億円の資金が流入しているが、こうした中でも資金が増加しているジャンルに「円ヘッジ外債ファンド」がある。
円ヘッジ外債ファンドとは、格付けなどにかかわらず外債に投資。為替リスクは円ヘッジで提言し運用するファンドだ。野村アセットマネジメントの商品としては、
・野村新興国債券投信Aコース(毎月分配型)純資産総額1597.5億円
・高利回り社債オープン・為替ヘッジ(毎月分配型)純資産総額301.9億円
・野村インデックスファンド・新興国債券・為替ヘッジ型 愛称:Funds-i 新興国債券・為替ヘッジ型 純資産総額19.461億円
・野村新エマージング債券投信(通貨選択型)円コース(毎月分配型)純資産総額404.2 億円
・野村グローバル・ハイ・イールド債券投信(バスケット通貨選択型)円コース(毎月分配型) 純資産総額465.9 億円
がある。(純資産総額は2012年12月12日付)
資金流入の背景、8つの条件
資金流入が増えている背景には、
(1)低金利が継続する日本と比較して海外には相対的に利回りの高い資産がまだあること。
(2)但し、海外資産に投資をする場合、為替のリスクがつきまとうこと。
(3)この為替リスクを回避するための手法に為替ヘッジがあり、これにはコストがかかること。
(4)為替ヘッジコストは内外の短期金利差で決まる、たとえば、米ドルの為替ヘッジコストについては日米の短期金利差で決まること。
(5)日米の短期金利差が現在ほぼゼロになっていること。
(6)米国の連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が2015年半ばまで低金利を継続すると宣言していること(2012年10月現在)。
(7)その結果、米ドル建て資産を対象とする円ヘッジ外債ファンドを中心に、為替ヘッジ後の債券利回りでみても相対的に債券利回りが高い商品と映ったこと。
(8)そして、同じ投資対象のファンドでも、為替ヘッジしないファンドと比較すると、ファンドのリスクが比較的小さいこと。
があげられている。
為替ヘッジを活用した資産運用は投資家にとって、投資対象候補の一つになる可能性も考えられるのではと特集は締めくくられている。
資金流入が加速する円ヘッジ外債ファンドの背景
http://www.nomura-am.co.jp/special/20121210/