クルマエビ養殖場の汚水をアサリ養殖に利用
山口新聞によると、水産養殖業を営む株式会社拓水(福岡県福岡市、以下 拓水)が山口県大島郡周防大島町でアサリの完全養殖事業を始めたことを伝えた。
養殖はクルマエビ養殖池を活用。養殖池内の、クルマエビが食べ残した餌や繁殖した微生物を含んだ用水をアサリ養殖場に流し入れる。
クルマエビ養殖池においては食べ残しの有機物や微生物を含んだ飼育水はやがて汚水として排水されるのみであったが、アサリ養殖場にそれらを流すことで有機物や微生物はアサリの餌となり、汚水もまた浄化される。
アサリは1ヶ月に2ミリ程度成長する。そして2年で35~40ミリ前後、市場に出荷できる大きさとなる。拓水では2年後には200トン前後を収獲、販売する予定だ。
県内の収穫量が200~400トンに急増の可能性も
山口県のアサリ収穫量はピークだった1983年の8558トンから年を追うごとに減少。2004年にはわずか3トンまで激減した。その後戻したが2009年も収穫量は10トン程度だ。拓水の今後の年間収穫量の見込みは200トンから400トン。山口県のアサリ生産量が20倍に急増する可能性もあるという。
拓水は2009年4月、周防大島町で遊休状態にあったクルマエビ養殖場を取得。初年度は70トンを生産。クルマエビの相場が低迷する一方、国産アサリは高値を維持している。拓水は自社が持つ他のクルマエビ養殖場にもアサリ養殖を導入していく考えだ。
山口新聞
http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2010/1019/2p.html