堅調なドイツ輸出業
中国需要に支えられているドイツ輸出業が、緩やかな回復基調にある中・東ヨーロッパからも恩恵を受けている、とNY Timesは報じている。ある有力な業界団体によれば、中・東ヨーロッパは経済を再建し徐々にではあるが銀行から企業への融資も再開しているという。
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Andres Rueda's photostream欧州最大の経済大国であるドイツをここ数十年で最悪の不況から回復させたのは新興市場向けの輸出産業。複数の自動車メーカーが雇用を再開したことで失業率も低下した。
東欧の未来は明るい!?
アナリストたちは、ドイツと密接な関係にある東欧は、ドイツの成長から利益を受ける有利な立場にあると指摘する。先日発表されたウィーン国際経済研究所のレポートによると、2010年は+1%とみられている東欧地域の平均成長率は、翌年になると+2,5%、2年後の2012年には+3,5%まで成長すると予測されている。
懸念材料も
今年前半のドイツと東・中ヨーロッパ間の貿易総額は、前年と比較して20%増の1029億ユーロに達した。ドイツからポーランド向けの輸出は19.3%上昇し314億ユーロ、ロシア向けの輸出に関しても+29%と大幅な改善を示したが、260億ユーロとポーランドに次いで2位となった。輸出に関して、ウィーン国際経済研究所の最新データでは金融危機以前の90%近くまで回復しているという。
しかしながら、ドイツのエコノミストたちはロシアの経済発展に懸念を強めてもいる。ロシアは石油と天然ガス依存から脱却し、経済の多様化を図る必要があると指摘している。
NY Times
http://www.nytimes.com/2010/10/14/business/global/14trade.html?_r=2&ref=globalVienna Institute for International Economic Studies
http://www.wiiw.ac.at/