菅首相は25日、インドのシン首相と首相官邸で会談し、既に合意している両国間の「戦略的グローバル・パートナーシップ」を、今後10年間に渡って強化することで共同声明に署名し、経済連携協定(EPA)の締結で合意した。読売新聞などが報じている。
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simanex's photostream 10年以内に、日本からの輸出品の90%が関税撤廃に
日本のEPA妥結は12件目で、発効は11年中の見通しという。これにより、日本からの輸出品の90%、インドからの輸入品の97%の物品について、発効から10年以内に関税が撤廃されることとなる。
このEPA合意に関しては、今年1月に韓国とインドの間で締結されている自由化率(韓国からインド向け輸出の75%)を上回るもので、規模は小さいながらも今後の進展に経済界の期待は大きそうだ。
同時にレアアース(希土類)についても、代替資源の研究・開発や再利用で協力していくことで合意。日本としては中国依存のリスク回避とともに、インド側も開発促進への期待があり、これは双方にメリットがあるといえる。
原子力協定交渉、締結に向かうか? 双方に思惑!
また両首相は、6月から開始した日印原子力協定交渉を早期に終えることや、国連安保理改革の実現に向けた緊密な連携も確認した。
しかし、菅首相が原子力協定交渉を巡って「日本人の核に対する強い思いを反映するようお願いしたい」と、インドが核実験を行った場合の協力停止を担保するよう求めたのに対し、シン首相からは「インドは核実験のモラトリアムを宣言している」と述べるに止まった。「核実験停止」を協定に盛り込むことには同意しそうになく、協定締結に向けた道のりは遠そうだ。
読売新聞
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