失業者数改善も
6-8月期のイギリス失業者数は2万人減少し245万人となった。英国家統計局(ONS)によると失業率は7.8%から7.7%とわずかに改善したが、9月失業手当の受給者数は5,300人増加し147万人となった、と英BBCは伝えている。
財政再建策の影響は
政府による歳出削減が行われることから年末には失業率が上昇するのでは、と懸念するエコノミストも多い。会計監査サービスPwCの発表したレポートによれば公的部門の歳出削減による波及効果で民間企業では50万人の雇用が失われる可能性があるという。しかし、雇用年金大臣のクリス・グレイング議員は長期的な雇用機会の確保のためには歳出削減によって財政赤字を縮小せざるおえない、と話す。
英雇用市場の分析と予測
ONSの算出によると8月の平均収入は前年と比較して+1.7%上昇した。経済調査会社キャピタル・エコノミクスのシニアエコノミスト、ヴィッキー・レッドウッド氏は、雇用に関するデータは公的部門の雇用削減が始まる前から労働市場が回復に苦闘しているさらなる裏付けとなった、と指摘している。
一方、経済・金融の分析を行うIHSグローバルインサイトの英国・欧州担当主任エコノミスト、ハワード・アーチャー氏の予測によれば失業者数がピークを迎えるのは2012年前半で285万人が雇用を失い、失業率は9%に達するのでは、としている。
BBC News
http://www.bbc.co.uk/news/business-11530816Office for National Statistics
http://www.statistics.gov.uk/hub/index.html