鹿島、千葉大学、医薬基盤研究所の3者で共同開発
大手ゼネコンの鹿島建設株式会社(以下鹿島)が10月28日、漢方薬や醤油、食料品の甘味料として広く使われている甘草(かんぞう)の人工栽培に成功したと発表した。これは産経新聞などが伝えている。
薬用原料としての甘草の人工栽培の成功は国内初、世界にも例がない。甘草の人工栽培は、三菱系列の三菱樹脂が今年10月から研究を開始させることを発表し、話題を呼んだ。
今回の開発の成功は、鹿島、千葉大学、独立行政法人医薬基盤研究所の3者共同によるもの。甘草は成長し根の部分から薬用成分がとれるまで4年程かかる。鹿島では水耕栽培により4年の期間を1年から1年半程度にまで短縮した。
これまで甘草を人工的に栽培させたものは、根の部分にグリチルリチンという薬用成分を含んでおらず、有用な薬草としての栽培は困難とされてきた。
漢方薬原料調達で脱中国の道が開ける
国内で消費される甘草は現在、そのほとんどを中国産の野生品に頼っている。その中国では甘草など薬用植物の乱獲により、植物品種の多様性が失われる問題が起きている。中国政府は2000年から薬草の採取制限も始めている。甘草が第2のレアアースとなるのは必至な流れだった。
鹿島エンジニアリングの斉藤俊哉次長は、今回の技術により漢方薬原料の安定調達に道を開いていきたいと抱負を述べた。
サンケイビズ
http://www.sankeibiz.jp/business/news/101028/bsd1010281425007-n1.htm鹿島
http://www.kajima.co.jp/千葉大学
http://www.chiba-u.ac.jp/医薬基盤研究所
http://www.nibio.go.jp/index.html