丸紅は産業革新機構とともに、チリ第3位の水事業会社 Aguas Nuevas(AN)社を買収する。両社の出資は、各50%という。
丸紅はチリ2件目でシナジー効果期待。ペルーでも参画
AN社は、チリ第3位の水事業会社で、傘下に3つの上下水道会社を有し、チリ48都市で上下水道のフルサービス(浄水や下水処理サービスの提供、上下水道管網の整備・維持に加えて検針や料金徴収まで含む)を提供してきており、丸紅はこれをカバーする。
なお丸紅は、2006年10月にチリAD社を買収しており、同国での水事業の買収は、これで2件目になる。また2009年7月に、ペルー/リマ市の浄水BTO事業への出資参画も行っている。
同社は、AN社買収後はAD社とのシナジーを追求すると共に、中南米市場で更なる展開を図る為のプラットフォームとしてAN社の水事業運営ノウハウを活用し、積極的に資産を積上げて行くとしている。
日本の水ビジネス、続々と海外展開
このほか海外の水ビジネスでは、10月に三菱商事、日揮など民間企業3社と産業革新機構が連携し、豪州の水事業会社UUAの経営に乗り出すことが決定しており、また東京都も今年に入って参入を表明している。
水ビジネスでは、対象範囲にもよるが浄水場設計・建設費は数百~数千億円かかり、契約期間は20~30年になる。経済産業省は中国・インドなど東南アジア圏の人口増や経済発展に伴い、世界市場は07年の36兆円から25年には87兆円に成長すると予想している。
日本は、「水処理膜」や「超純水製造」技術では世界的に強いだけに、この先、同分野での日本の技術力への期待は益々高まりそうだ。
丸紅(株)
http://www.marubeni.co.jp/(株)産業革新機構
http://www.incj.co.jp/