日本鉄鋼連盟が19日に発表した10月の粗鋼生産量(速報値)は、前月比3.0%増、前年同月比8.0%増の951万トンと、12カ月連続で前年実績を上回った。
<写真はJFE高炉>
今年の粗鋼生産、1億トン台乗せは確実に
900万トン台乗せも2カ月の連続で、1~10月では9,144万トンと前年同期比31.1%増となり、2年ぶりの1億トン台乗せは確実な情勢だ。
炉別の生産でみると、主に自動車や電機向けの転炉鋼が734万トンと前月比2.4%増(前年同月比5.2%増)に、建設向け主体の電炉鋼が217万トンと同5.0%増(同19.0%増)となり、前年同月比では転炉鋼が12カ月連続の増加、電炉鋼は11カ月連続の増加だったという。
鋼種別生産では、普通鋼が727万トンと前月比2.1%増(前年同月比2.9%増)、特殊鋼が224万トンと同5.8%増(同28.8%増)となり、前年同月比では普通鋼が12カ月、特殊鋼は11カ月とそれぞれ連続の増加となっている。
なお、10月末の高炉稼働基数は、前月同様の33基中27基だった。
自動車の減少、円高要因から市場環境は厳しいと…
同連盟では今後、自動車市場の落ち込みがあることと、いまの円高が続けば、「年末にかけて市場環境がより厳しくなり、生産の落ち込む可能性がある」とみている。
日本鉄鋼連盟
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