政府は14日、上場株式の売却益などにかかる所得税率を現状10%に軽減している「証券優遇税制」について、期限切れとなる2011年末以降、2年間延長することを決めた。市場活性化策の一環として必要と判断したもの。これは、産経新聞などが報じたもの。
16日にも閣議決定する11年度税制改正大綱に盛り込むが、これに伴い終了と入れ替わりに導入される予定だった、少額の株式投資を条件つきで非課税にする制度「日本版ISA」も、2年先送りされることとなる。
金融庁と財務省の綱引きで2年延長と決着
この優遇税制は03年1月に導入され、株式の配当や譲渡益にかかる税率を本来の20%から10%に軽減、延長を繰り返していた。
金融庁では、日経平均株価がリーマン・ショック以前の水準に戻っていないことを理由に、市場活性化策の一環として3年間の延長を要望していたが、財務省は「富裕層に有利」とする批判への配慮と法人税率5%引き下げ論議での減収もあり、廃止方針を示していた。
この決着で金融相は、「金持ち優遇ではなく、(国民に)株を買ってもらうことがデフレ脱却の道」と語っている。
金融庁
http://www.fsa.go.jp/産経新聞
http://www.sankeibiz.jp/top.htm