大塚製薬や大塚食品を傘下に置く大塚HDが15日、東京証券取引所第1部に上場した。初値は2,170円を付け終値も2,140円と、いずれも公募価格を上回った。
市場注目の銘柄が無難に滑り出したことで、証券関係者からは「低迷する市場の活性化に弾みがつく」との声が上がっていると朝日新聞などが報じている。
市場注目度も高く、今年2番目の大型上場に
時価総額は約1兆2千億円で、4月の第一生命保険に次ぐ今年2番目の大型上場となり、新規上場が1兆円を超えたのは過去20年間でも6例目とのことだ。
日経平均株価の終値が前日終値と比べ7円ほど安く、さえない動きの中、大塚HD株の売買代金は1,087億円となり、この日の東証1部全体トップの7.3%に達し、市場の注目度も高かった。
今年の東証(1部、2部、マザーズ)の新規上場は12社あるものの、好調だった06年のわずか6分の1と活況にはほど遠い状況にあり、今月10日上場の化粧品大手ポーラ・オルビスホールディングスの初値が公募価格を下回っただけに、無難な滑り出しに関係者はほっとしているという。
大手証券関係者は、「1兆円規模の上場で市場に与えるインパクトはそれなりにあり、大塚HD株は市場全体が好転に向かうかどうかで今後を占うバロメーターになる」と話している。
調達資金は新薬開発やM&Aに、人材獲得や事業提携も!
上場に伴い大塚HDは、約1,600億円を調達することとなり、新薬開発などに充てるほか、M&A(企業の合併・買収)も視野に入れる。さらに、上場による知名度や信用度の向上も利して、グローバルな人材獲得や事業提携にも期待する。
大塚HD
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