HDDやコンプレッサーのレアアース磁石から抽出
株式会社日立製作所(以下日立)が12月6日、ハードディスクドライブ(HDD)のモーターやエアコンなどのコンプレッサーからレアアース磁石をリサイクルする技術を開発したことを発表した。
新たに開発した装置によって使用済み製品からレアアース磁石を分離・回収し、乾式手法を用いてそれら回収したレアアース磁石からレアアースを抽出するというもの。
2013年の本格稼働をめざす
日立ではリサイクル全体のコストや回収率を試算し、2013年の本格稼動をめざすという。
HDDからレアアース磁石を分離・回収する場合、手作業では、1人の作業者が1時間で12台をこなす程度だ。今回開発した装置では1時間に約100台分の作業がこなせる。
また、コンプレッサーについては、これまでは分解が困難だったが、切断装置や脱磁装置を開発し、分離・回収が効率よく安全に行えるようになった。
レアアースの抽出についても、親和性の高い特定の抽出媒体を使用することで、処理のさいのコストの削減や、処理の行程で環境に与える影響の低減などに向けて、前進できるものとなった。
同事業は、経済産業省の「平成21年度新資源循環推進事業費補助金(都市資源循環推進事業-高性能磁石モータ等からのレアアースリサイクル技術開発)」に選定され、2009年10月から開発がスタートした。独立行政法人物質・材料研究機構や有識者などの指導を受けて取り組んできたものが実を結び始めた。
日立製作所
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2010/12/1206.html