中国企業の対日M&A(企業の合併・買収)が加速しているようだ。M&A助言会社レコフによると、10年1〜11月までに36件の対日M&Aがあり、過去最多の26件を記録した09年を上回ったという。
これは、毎日新聞が報じたもの。
最近は、買われる日本企業側にも、巨大市場を抱える中国資本の傘下に入ることで再建を果たそうとする機運があり、(株)ホッコクもその例だ。
日本全国でラーメンチェーン「どさん子」約360店を展開する同社は今年、中国のアパレル事業経営者 孫小飛代表から約3億円の出資を受け入れ、筆頭株主(出資比率13.5%)となっている。
日本企業の中国進出成否は現地のコネや人脈がカギ!!
もともとラーメン業界では有名ブランドの同社だが、値下げ競争の激化などで業績は悪化し、10年3月期は9億4200万円の最終(当期)赤字に転落した。日本食人気の高まる中国進出で起死回生を図ろうと、昨年6月に上海に拠点を設けたが、チェーン展開に向けた現地での人脈や資金調達先を思うように確保できなかったという。
ところが今春、日本での投資案件探しに来日した孫代表が、同社のチェーン店に立ち寄ってラーメンを食べたのがきっかけで、「この味なら、中国でも受ける」と気に入った孫代表が買収を即断、話はトントン拍子で進み、今年4月には基本合意し「どさん子」の中国展開に道筋が付いたもの。
積極果敢な行動で知られる「温州商人」がルーツの孫代表は、中国に今後3年で「どさん子」チェーン1000店を出店する計画といい、当初、中国資本への警戒感もあったホッコク経営陣は、今は「孫代表に逃げられないように頑張る」と話すほど親密な関係とのことだ。
日中間のM&A仲介を手掛ける「マーチャント・バンカーズ」の古川令治会長は、
「日本企業の中国進出の成否は現地でのコネや人脈がカギを握る。このため、日本側にも中国資本へのニーズが出始めており、M&Aの動きはさらに拡大する」
と予想している。
(株)ホッコク
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