日本車輌製造(株)は16日、北米向け新型標準ディーゼルカーを開発し、住友商事(株)を通じて販売を開始すると発表した。
米カリフォルニア州で新たに通勤鉄道を導入する鉄道公社(SMART社)から18両の受注が決定したもので、この契約総額は約57百万ドル(約48億円)、納入完了は2014年中を予定する。この契約には、北米の他地域の鉄道会社からのオプション発注分として最大146両が含まれているという。
交通渋滞・環境改善に既存の貨物線+ディーゼルカー
北米各地では、自動車による交通渋滞や環境の悪化に歯止めをかけるため、鉄道での都市交通計画を推進しているが、直ちに大規模の鉄道インフラを整備するのは困難なため、先ずは既存の貨物鉄道線路を整備して短編成の列車を投入するのが即効性あるとし、非電化で走れるディーゼルカーへの注目度が高い。
これに対し、米国の排ガス基準や衝突基準に適合し、保守性の高い同社の車両が、独シーメンス社など世界の5社の中から選ばれたという。
SMARTは、サンフランシスコ北に位置するソノマ・マリン郡の交通渋滞を緩和する目的で計画された路線。車両は2両編成で全長50メートル、156名の乗客定員で、トイレとバーカウンターおよび自転車ラックを装備し、バリアフリーの仕様となっている。
新幹線車両売込みにもつながる実績作りに
なお、北米のディーゼルカー需要はおよそ400両といい、同社がイリノイ州シカゴ近郊ロシェル市で建設を開始した北米工場のメニューに加わるとしている。
新幹線車両も製造する同社だが、来年にかけて新幹線の売り込みも本格化するだけに、今回の受注の持つ意味合いも大きそうだ。
発表内容
http://www.n-sharyo.co.jp/business/tetsudo/topics/tp101216.html日本車両製造(株)
http://www.n-sharyo.co.jp/index.html住友商事(株)
http://www.sumitomocorp.co.jp/