就職情報会社の(株)ディスコは、外国人留学生(現大学3年生および修士1年生)を対象に、就職に関する意識調査を行った。調査はインターネットにて11月24日からの2週間実施し、443人から回答を得たという。
そしてこの中では、日本人学生との意識の差をみるため、2012年春卒業予定の日本人学生モニターへの調査項目(昨年11月中旬実施)と合わせた比較も行っている。
この結果、2010年と比べた2011年の就職戦線の見通しを聞いたところでは、外国人の89.0%、日本人学生モニターの86.5%が「厳しい」と回答しており、ほぼ同様の認識となった。
中国などの「独立・起業したい」24.2%は日本の約3倍
また、就職後のキャリアプランについては、「一つの会社に定年まで勤めたい」が36.3%と最多となる一方、「いずれは独立・起業したい」も24.2%となり、中国など新興国学生を中心に独立志向が強かった。日本人の「定年まで」59.1%、「独立・起業」8.7%と比べると、その意識の差が明らかだった。
このほか、日本で就職する際に不安に感じること(複数回答)で最も多かったのは、「職場でよい人間関係がつくれるか」44.1%で、以下「自分の日本語が通じるか」40.0%、「希望する仕事に就けるか」36.4%などと続き、仕事や待遇に対する不安より、コミュニケーション面での不安が大きかったという。
志望業界人気は商社(総合)が断トツ。観光関連も
40業界の中から志望業界を5つ選んでもらうと、全体では「商社(総合)」が50.9%と最も高く、次いで「電機・電子」(28.9%)とグローバル人材採用を打ち出す企業の多い業界に人気が集まっていた。また、昨年7月の中国人向け個人観光ビザ発給要件の緩和もあり、外国人観光客への対応が急務な「ホテル・旅行」(20.9%)が3位に挙がった。
そして、就職先企業を選ぶ際に重視する点を31項目の中から5つまで選んでもらうと、最多は「将来性がある」の61.4%。以下、「職場の雰囲気が良い」28.7%、「有名企業である」25.7%、「給与・待遇が良い」25.3%と続いた。「大企業である」も2割超が選ぶなど、留学生の貪欲な姿勢が感じられるとしている。
発表内容
http://web.disc.co.jp/topics/foreignst_20101227.pdf(株)ディスコ
http://web.disc.co.jp/index.shtml