帝国データバンクは、介護サービス・有料老人ホーム業に関する経営実態調査の結果を、特別企画として今回初めて発表した。
これは、2010年12月時点の企業概要データベース「COSMOS2」から、2009年度の売上高が判明した介護サービス・有料老人ホーム業者を主な対象に、社数・売上高総額推移、内訳、売上高前期比較、損益状況、倒産動向を分析したもの。
Image:*嘟*業者数は4年前の約2.5倍、売上げ首位はニチイ学館
この結果、09年度の介護サービス・有料老人ホーム業者数は7022社となり、診療報酬が改定される直前の05年度2733社と比べると約2.5倍に急増し、売上高総額4兆2千億円も05年度の2兆2千億円と比べると95%の大幅増となっている。この間の06年、09年に介護報酬が改定され、参入企業が増加したことが影響しているようだ。
09年度の売上高1位は、介護会社として現在唯一の東証1部上場企業である(株)ニチイ学館の2005億円で、断トツとなっている。2位には、有料老人ホーム運営などを行う、ベネッセグループの(株)ベネッセスタイルケアが445億円で続いている。
売上高10億円以上の企業を見ると、09年度は増収が594社、構成比74%を占め、減収(88社、構成比11%)を大幅に上回った。損益状況でも、黒字が582社で、構成比は92%と高水準となった。
政府戦略から、介護分野は今後の成長に期待が!
今後の見通しについて同社では、2012年度に介護施設の総量規制が撤廃される方針が示されていることから民間参入がさらに加速するとみる一方、急激な事業者数の増加による競争激化、サービス品質の確保などに留意が必要としている。
政府は6月に、医療や介護などを「成長けん引産業」に位置付けた新たな成長戦略を閣議決定し、2020年までに介護関連産業で約50兆円の新規市場の開拓を目指すとしており、高齢化が進む中、介護分野は今後の成長が期待される注目産業といえる。
経営実態調査 内容
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p101206.pdf(株)ニチイ学館
http://www.nichiigakkan.co.jp/(株)帝国データバンク
http://www.tdb.co.jp/index.html