財務省が27日に発表した12月の貿易統計速報で、輸出は前年比13.0%増の6兆1128億円となり、13カ月連続しての増加となった。また輸入は10.6%増の5兆3851億円で、貿易黒字は34.1%増の7277億円だった。
輸出増は中国、アジア向けとともに、米国向けが持ち直したことが寄与し、2カ月連続して伸び率が加速、特に中国向け輸出は1兆2858億円と、2008年7月に記録した額を上回り過去最高となった。
10年の貿易黒字が前年比2.5倍に。アジアの伸び大きく
同時に発表された2010年の貿易収支は、6兆7702億円の黒字となり、前年に比べ2.5倍の増加となった。黒字額の増加は2年連続となる。輸出は前年比24.4%増で3年ぶりの増加に、また輸入は同17.7%増で2年ぶりの増加となった。
地域別では、アジア向け輸出の伸び率が前年比29.0%増と、過去最高となった。これにより対アジア貿易黒字は、これまで最高だった2007年を上回り、10兆3678億円となった。
このうち中国向け輸出は13兆0893億円で、2008年を上回る過去最高額を記録、対中貿易収支では3208の赤字で、赤字額が1兆円を下回ったのは1994年以来では初めてという。
このところ、米国での減税延長やアジア向けの輸出数量が伸びを加速させていることが日本の輸出に好影響となっているが、EUの緊縮財政や為替レートの円高水準の継続からは、今後もこれが堅調に推移するとは言い難い状況だ。
財務省統計資料
http://www.customs.go.jp/toukei/latest/index.htm