財務省は8日、国際収支状況速報を発表、12月の経常収支は1兆1953億円の黒字で、前年比は30.5%増とのこと。増加は2カ月ぶりとなり、貿易収支、所得収支の黒字額増加が寄与した。
貿易収支は7688億円の黒字で、前年に比べ23.2%増加し、3カ月ぶりの増加だった。輸出は、アジア向けを中心に回復基調となったため前年比14.0%増と13カ月連続の増加に、また輸入は前年比12.8%増で12カ月連続の増加となったが、輸出の増加幅が輸入の増加幅を上回ったもの。
所得収支は5カ月連続増。年間経常収支も3年ぶりの増
また所得収支は、前年比21.6%増の5817億円の黒字となり、5カ月連続で増加している。海外子会社の業績改善で内部留保が増加傾向となるなか、再投資収益の受け取りが増加し、所得収支の黒字額増加に寄与したという。
同時発表の2010年経常収支は、前年比28.5%増の17兆801億円の黒字となり、3年ぶりに増加した。貿易収支が同98%増の7兆9969億円の黒字と好調だったほか、サービス収支も特許使用料の増加やアジア各国を中心に外国人旅行者が過去最高の861万人を記録したことなどから、赤字幅を大幅に縮小している。
同省の過去貿易統計によると、輸出額の伸び率は昨年2月に最大(前年比47.7%増)を記録した後は縮小を続けていたが、10月(同7.8%増)を底に11月、12月と再び拡大しているとのこと。
財務省
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