東芝は5月30日、蓄電池付太陽光発電システムを販売すると発表した。当初は、三洋ホームズ(株)向けの年間300棟分といい、今後は新築住宅メーカー向けに同システムの販売を開始し、今年度年間1000棟分の販売を目指す。
変換効率21.5%を実現。停電時700Wx3時間の蓄電容量
世界最高水準のセル変換効率21.5%を実現した住宅用太陽光システムと、鉛蓄電池の組合せにより、太陽光で発電した電力を蓄電池に充電し、電力不足や災害などの停電時に生活に必要な電力を確保することを狙ったもの。三洋ホームズと新築戸建住宅への搭載で技術調整を重ねたという。
家庭電器700W相当を約3時間動かすことのできる2.1kwhの鉛蓄電池を標準搭載し、増設バッテリーを使うことで、さらに容量を拡張することも可能だ。蓄電池への充電方式は、通常時は商用電源から充電し、停電時には同システムの自立運転モードで発電した電力での充電も可能となっている。
同社はこれにより、電力会社からの電気(商用電源)が停電となった際には、生活に必要な電化製品を蓄電池で動かすことが可能で、災害時でも安心して利用できるシステムを実現したとしている。
電力ピークシフト対応などでエネルギー活用を提案
国内の住宅用太陽光発電システムは、環境意識の高まりや国・地方自治体による補助金制度、電力会社による余剰電力買取制度などにより普及が進みつつある。住宅向けの市場規模は、2010年度の4500億円から2015年度には8000億円になることが予想され、今後も市場の拡大が見込まれている。
一方で、東日本大震災以降の電力不足環境もあり、発電した電力を蓄電して停電時に使用するといったニーズが急速に高まっている。したがいこのシステムの提供は、電力のピークシフト対応など、エネルギーの新しい活用法を提案するものといえそうだ。
東芝
http://www.toshiba.co.jp/index_j3.htm三洋ホームズ
http://www.sanyohomes.co.jp/