FIFAのオウンゴール
国際サッカー連盟FIFAは、2010年のワールドカップのスポンサーとして体に悪い商品を販売している会社と手を組んでオウンゴールを決めた、と批判されている。
不健康なパートナーシップ
世界がん研究基金はFIFAの運営組織がコカコーラ、マクドナルド、バドワイザーなどとパートナーシップを結んでいることを非難した。
がん基金は、ワールドカップは健康的なライフスタイルを奨励するイベントであるべきだと主張している。一方、スポンサー側はワールドカップの広告によって子供たちに悪い影響が出ることはないとしている。
コカ・コーラ、マクドナルド、バドワイザーの3社は、ワールドカップのパートナー、もしくは公式スポンサーであり、スタジアムの中で巨大スクリーンやポスターなどかなり目立つ広告を展開している。
ワールドカップの試合は200ヶ国以上にわたり何十億人もの人が視聴する。がん基金は、それらの人が広告によって影響を受けることを懸念している。
子どもたちへの影響
基金の代表であるテレサ・ナイチンゲールはこう語っている。
「子供の肥満防止対策としてはサッカーは非常に有効です。体にいい運動ですし、ほとんどの人はサッカーが好きです。子どもたちはルーニーやメッシのようなスタープレーヤーにあこがれ、裏庭や公園で彼らの動きを真似て練習するでしょう。その両親や祖父母も昔はマラドーナやペレにあこがれて、同じようなことをしたはずです。」
しかし、彼女はこうも付け加えている。
「FIFAがコカ・コーラ、マクドナルド、バドワイザーなどの会社をスポンサーやパートナーに選んだことは本当に残念です。FIFAは公式サイトで、スポンサーシップは会社が商品を世界的なレベルで宣伝することにつながると説明していますが、体に悪い商品で知られる会社が知名度を上げることを助けているのはいただけません。これはFIFAのオウンゴールだと思います。」
「ワールドカップは始まり、スポンサーはさまざまな場所で広告を展開しています。この現実は受け入れなければなりませんが、もしFIFAが今後は体に悪い商品を扱う会社をスポンサーにしないという声明を出せればすばらしいと思います。」
がん基金は子供を持つ親に、広告が子供たちに大きな影響を与えることを示し、子供たちにきちんと野菜や果物を食べさせるよう呼びかけている。
健康問題の今後
広告協同組合の広報責任者、イアン・バーバーも政府の調査が広告は子供たちの食生活に多大な影響を与ていることを明らかにしたと主張している。
「もし子供たちの健康を本気で促進させたいと思うなら、子供たちが広告に惑わされずに、健康にいいライフスタイルを選択できるような環境を作らなければならない。」
これに対しFIFAはサッカーの人気を利用して、国際的な健康問題に取り組むプロジェクトを行うとコメントしている。
編集部 R.Nakao
BBC NEWS
http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/10176403.stm