日本銀行が、成長分野に対し3兆円を供給
平成22年6月15日、日本銀行(以下日銀とする)が、「『成長基盤強化を支援するための資金供給基本要領』の制定等について」との文書を公表しました。
ここに書かれた内容とは、日本経済の成長を促進させるために、日銀が指定した成長分野への投資または、融資を行っている金融機関(銀行や日本政策投資銀行など)に、総額3兆円、各金融機関ごとに上限1500億円の貸付を行うというものです。
(画像は日本銀行HPトップページ)
そして、日銀からは、政策金利(平成22年6月15日現在、年に0.1%)と同じ金利で、金融機関に貸付が行われます。また、貸付期間は原則1年であるが、借り換えにより最長4年間この制度が利用できるとしています。
日銀が指定する成長分野とは
日銀が公表した資料によると、日銀が資金供給する成長分野は以下のものです。
① 研究開発、② 起業、③ 事業再編、④ アジア諸国等における投資・事業展開、⑤ 大学・研究機関における科学・技術研究、⑥ 社会インフラ整備・高度化、⑦ 環境・エネルギー事業、⑧ 資源確保・開発事業、⑨ 医療・介護・健康関連事業、⑩ 高齢者向け事業、⑪ コンテンツ・クリエイティブ事業、⑫ 観光事業、⑬ 地域再生・都市再生事業、⑭ 農林水産業、農商工連携事業、⑮ 住宅ストック化支援事業、⑯ 防災対策事業、⑰ 雇用支援・人材育成事業、⑱ 保育・育児事業
つまり、ここに示された分野の起業や産業は、今後金融支援が得られる業種なので、上記に示された分野は、利益を得やすいといえるのです。
資金供給の狙いとは!?
今回の日銀の政策(新貸出制度)は、近く公表される予定の政府の新成長戦略とスクラムを組む形となり、評価できるとの声が上がっています。日銀は、デフレからの脱却と自律的な景気の回復を狙って今回の新資金供給策を実施したようです。
日銀の金融政策は、世界も注目しています。今後は、政府の経済政策との相乗効果や株式市場にどのような影響が出るかが注目されます。
日本銀行
http://www.boj.or.jp/公表資料(日本銀行HP内)
『成長基盤強化を支援するための資金供給基本要領』の制定等について
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc10/mok1006b.pdf