株式会社三友システムアプレイザルは、提携する不動産鑑定士162名を対象に行ったアンケートをもとに、三友地価予測指数(2021年3月調査)を発表した。
ホテル用地としての需要が地価を牽引してきた地域では、地価は軒並み下落に転じている模様
また、今回は全国各地の都市について、不動産鑑定士の目でみた不動産市場の動向に関する定性的な報告をまとめた「主要都市別まちかど観測」も掲載。国内不動産市場の全体像を把握できるように、主要都市のみならず、地方都市についても言及している。
■調査結果概要
<商業地:三大都市圏でも地価は引き続き下落傾向にある。>
商業地指数の「現在」は、東京圏が43.4、大阪圏は30.6、名古屋圏は34.6となりました。前回との比較では、東京圏が44.1からやや下落、大阪圏は35.7から下落、名古屋圏は33.4からやや上昇していますが、いずれの圏域でも指数は50.0(横ばい)を下回っており、地価が下落傾向であることに変わりはない。
今回の調査結果では、小規模飲食店が全国的に大きなダメージを受けているのに対し、大規模商業施設の客足は通常時に近い水準を維持していることがわかった。ただし、これまでホテル用地としての需要が地価を牽引してきた地域では、地価は軒並み下落に転じている模様。
<住宅地:下落傾向が続いてはいるが、下落幅は商業地よりも小さい。>
住宅地指数の「現在」は東京圏が48.7、大阪圏は45.4、名古屋圏は46.2となった。前回との比較では、東京圏が47.4からやや上昇、大阪圏は48.2から下落、名古屋圏は47.9からやや下落している。
商業地と同様に、いずれの圏域でも指数は50.0(横ばい)を下回っており、地価は下落傾向が続くが、下落幅は商業地よりは小さなものとなっている。
今回の調査結果では、全国的に優良住宅地は大きな影響を受けていないことがわかった。しかし、それ以外の住宅地では地価の下落が続き、コロナ禍は二極化傾向に拍車をかけたようにも思われる。ただし、雇用環境や所得水準の変化は、こうした住宅地に対して新たな需要を喚起することになるのかも知れない。
■調査概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2月1日~2月26日
調査対象者数:当社と提携する全国の不動産鑑定士162名
対象者内訳:東京圏39名[東京・神奈川・埼玉・千葉]
大阪圏27名[大阪・京都・兵庫・奈良]
名古屋圏13名[愛知・三重]
その他の地方圏83名[上記以外]
調査結果詳細(さんゆう資料室):
https://ssri.sanyu-appraisal.com/