中国景気は今後上向きに?
三菱UFJアセットマネジメントが、1月28日に発表した臨時レポートで、中国の景気回復が鮮明化しつつあるという見解を示した。
中国の景気の先行きは一時相当に不安視された。2008年9月のリーマンショック直後の大規模な経済対策により2010年1-3月期には実質GDPで前年比11.9%の高成長を見せたが、その後はほぼ一貫して減速。2012年7-9月期には3年半ぶりの低水準となる前年比7.4%の成長にとどまった。同年9月の尖閣諸島領有権問題で日中間の経済環境が悪化したことも大きな不安材料となった。
だがレポート内では、そのような不安は解消しつつあるという意見だ。その理由は、中国国内での在庫調整の先天、中国人民銀行が行った金融緩和策が不動産市況に好影響を与え始めていること、米国景気が持ち直しつつあるとみえられること、欧州債務問題の改善などだ。
※画像はイメージ
景気回復のきざし
2012年秋には経済指標にすでに景気回復の兆候がみえ始めていたが、2012年10-12月期の実質GDPが2年ぶりに増加に転じ、前年比7.9%増となったことで景気回復の兆しはより鮮明となった。
同年12月の輸出も7ヶ月ぶりに高い伸びを示し、前年比14.1%増加。特にEUは7ヶ月ぶりに前年比でプラスに転じ、また米国向けは前年比10.3%増と6ヶ月ぶりに二桁の伸びを回復したことも注目材料だとしている。
経済重視への方向転換、輸出関係国にも好影響?
2012年に中国の景気減速が進行した理由として、欧州債務危機などの海外要因の他、中国国内での政治面から経済への取り組みが共産党退会を直前に控えているという政治的な動揺などから遅れたことが考えられる。
しかし同年11月に共産党大会が開催され新政権の発足が確実になると、政策の重点は経済におかれ始めた。積極的な財政政策や緩やかな金融政策の継続、都市開発などに関するインフラ投資拡大などで、経済重視の姿勢を印象づけた。
レポートでは中国の景気回復の動きは緩やかながらも持続するとみえている。中国の政治が経済重視姿勢への転換をはかりつつあり、景気回復に本格的に取り組むことが可能となったためだ。これは今後の中国経済を底堅くする要因といえる。また、中国を最大の輸出先とするオーストラリアやブラジルなどの経済にも今後好影響を与えると推測している。
関連ファンド
三菱UFJ投信が設定・運用するファンドで、中国が関連キーワードとなるものは以下の通り。(2013年1月30日現在、基準価額・純資産総額は同年1月29日基準)
・三菱UFJ 新興国債券ファンド 通貨選択シリーズ 中国元コース(毎月分配型)基準価額12155円、純資産総額1.83億円
・アバディーン アジア・ボンド・オープン(毎月決算型)(愛称:アジアンスパイス)基準価額11272円、純資産総額17.84億円
・三菱UFJ チャイナオープン 基準価額10298円、純資産総額170.19億円
明らかになりつつある中国の景気回復(臨時レポート)
http://www.am.mufg.jp/text/20130128rinji.pdf三菱UFJ 新興国債券ファンド 通貨選択シリーズ 中国元コース(毎月分配型)
http://www.am.mufg.jp/fund/250963.htmlアバディーン アジア・ボンド・オープン(毎月決算型)
http://www.am.mufg.jp/fund/260504.html三菱UFJ チャイナオープン
http://www.am.mufg.jp/fund/920081.html