他のアジア市場とは異なる投資意識の日本。国内投資に積極的
マニュライフ生命保険株式会社等3社は、2014年第2四半期アジア版マニュライフ投資意識指数(MISI)の調査結果を発表した。これは、アジア8カ国・地域における、現金、株式、投資信託、債券、不動産(居住用および投資用)の主な資産区分等についての姿勢や投資意識に関する独自の調査で、四半期ごとに実施、今回は第6回となる。
それによると、日本人が現在投資に最適だと感じる主要地域・市場は、26ポイントを獲得した「自国(日本)」が1位で、2位が20ポイントの「アジア先進国市場」、3位が17ポイント「米国/北米」となっている。
また一方で現在投資に適さないと感じる主要地域・市場は「中国」と回答した人が最も多く(-45ポイント)、続いて「中華圏」(-33ポイント)、「欧州新興国市場」(-21ポイント)という結果となった。
日本以外の各アジア市場の調査では中国に対する投資を肯定的にとらえる結果(平均38ポイント)が得られている。日本の投資家は国内投資に積極的であり、他のアジア市場とは異なる傾向を示す形となった。
また、今後2年間の主要市場における経済成長についての調査でも、日本はアジア市場で唯一インドを挙げており、他のアジア市場とは異なる傾向を見せた。なお、調査対象のアジア8市場のうち5市場は中国、インドネシアおよびフィリピンは日本を選択している。
さらに、日本の投資家は分散投資の論理を理解している一方で、特定の市場についての先入観を持っており、分散投資のリスクを高めていることも分かった。
日本の全体的な投資意識指数は、第1四半期の12 ポイントから14ポイントに上昇、資産区分別では株式が顕著な上昇を見せ、前回比7ポイント上昇の28ポイント、投資信託、投資用不動産、現金でも上昇傾向が見られ、債券および自宅用不動産が前回調査から下落する結果となった。
年金制度への高い依存度と不信感
年金に関する調査では、「公的年金で退職後に必要とされる資金をまかなえる」と考えている人は、アジア平均が38%であるのに対し、日本は13%と非常に低い。一方、定年後の貯蓄・収入源のなかで公的年金が占める割合はアジア平均が16%であるのに対し、日本は31%と予測しており高い数値になっている。
年金への不安を持つ理由としては、5人のうち2人が「公的年金制度を信頼していない」を挙げている。また、約30%の回答者が「予定している貯蓄額では退職後に現在の生活水準を維持できない」と考えており、日本人の年金制度への高い依存度が示される一方で、年金の財源確保などに関して不信を感じている人が多いことが示唆される結果となった。
2014年第2四半期アジア版マニュライフ投資意識指数(MISI)調査結果
http://www.atpress.ne.jp/releases/49301/att_49301_1.pdf