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2008年に「アメリカの景気後退入りは2007年の12月から」と公式発表を行ったことでも知られる全米経済研究所(NBER)の景気循環日付委員会(Business Cycle Dating Committee)。緩やかに景気回復をしている状態で、社会が「いつ」不況を脱したのかを断言することは非常に難しい。
同研究所の現所長であるRobert Hall氏は、再び景気の後退が起こるのであれば、それは「二次不況」と呼ぶべきだという意見だ。
「まだそういった状況は起こっていないので、あくまで仮説ということになりますが。景気循環というものは、上下を繰り返して最終的に元のレベルを超えてくる。その時点が景気回復と言えるでしょう。」
不況の類似例
過去を振り返って見ると、一番近いところで私たちがこの「二次不況」を経験したのは、1980年代初頭のことである。ちなみに同委員会は、過去にこの時期の二つの不況を「別々のもの」と定義していた。
俗に言う、1980年と1981-1982年の不況である。
当時は、実質GNPなどを含めた主要な経済指標が、1980年7月以降、すでに以前のレベルに近く、またそれ以上までに回復したことから、これをもって1980年不況から抜け出したとした。そして新たに1981年7月より、次の不況に突入と定義づけていた。
同委員会では過去の決定の見直し、1980年1月、そして7月の景気の持ち直しからこの「二次不況」定義についての確信を得るとともに、すべての経済指標が1979-80年のピーク時数値へ届いたわけではなかったが、この2月の景気拡大が後の経済循環回復へつながったとの見方を強めている。
全米経済研究所(NBER)ホームページ(英語)
http://www.nber.org/Business News Online 'Recession Dating and a "Double Dip"'
http://business.techwoo.com/economics/2010/07/04/recession-dating-and-a-double-dip/