ヘッジファンドがカカオ豆を買い占め
チョコレートの原材料カカオ豆の価格が過去30年で最高値を記録している。ロンドンの先物取引で英国ヘッジファンドの創業者アンソニー・ウォード氏が世界の生産量の実に7%に相当する24万トン(900万円相当チョコレート菓子50億個分)のカカオ豆を購入した。
生産地の干ばつで高値が付いていたカカオ豆。同氏は供給不足を見越して昨年10月から先物を買い集めていた
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チョコレートが超高級食品になる!?
チョコレートを駄菓子だなんて呼べなくなる日も近いかもしれない。国際カカオ協会によると、世界の高級チョコレート需要はアジア諸国を中心に急増しており、カカオ豆の消費量もこの1世紀で毎年3%ずつ増加している。
リーマンショック以降投機マネーが流入して価格を高騰させることに神経を尖らせてきたカカオ豆加工業者やドイツの取引協会は、同氏の行動を激しく非難している。
3年前、市場の投機筋は2割に満たなかったが、今年に入って5割に達している。英通貨ポンド安が世界の投機マネーをロンドンの先物取引に呼び込んでいるとの分析もある。カカオ豆の価格を思いのままに動かし、製菓業界に高値で売り付けるウォールド氏は映画007の「ゴールドフィンガー」ならぬ「チョコレートフィンガー」と呼ばれているが、実は生産地に気象観測所までもつ専門のカカオ買い付け業者とのこと。
今後も断続的にカカオ豆の供給不足が続くと見られている。製菓業界はチョコレートのサイズを小さくしたり、レシピを変更して代替油脂のパーム油を使うなど対応策に追われている。
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