円高は悪ですか
日本経済が円高に苦しむニュースを多く見かけるが、今回は逆の見解を提示する人を取り上げよう。キャピタル・パートナーズ証券の顧問で、サイト「三原淳雄の言いたい放題」を運営する経済評論家三原淳雄氏は、「円高のせいで企業の収益は圧迫されて苦しくなる」という世間の喧伝に疑問をひろげる。
資源欠乏国で通貨が高くなるということ
サイト「MONEYzine(マネージン)」のコラムで三原氏は、かねがね円高になると株価が下がることが不思議であったとし、こう述べる。
日本のように資源の乏しい国にとって、円高のデメリットばかりを気にして株が大きく下げるのは、あまりにも悲観的すぎると考えるべき時だろう。
そして、日本円の固定相場が崩れて変動相場となってより約40年が経過し、その間に企業は十分に体質の変換を図ってきたことを挙げ、にもかかわらず同じことばかりが言われ続けるのは不可解であると現状を憂えた。
つまり、本当の問題は円がかつての1ドル360円から80円台と、およそ4倍もドルに対して価値が上昇しているのに、日本の資産は通貨ほど増えていないこと、それは結局政策の怠慢にこそ問題があったのだと主張する。
その指摘が正しいかどうかは皆々様に判断していただく他ないが、常と異なる見解というものは大切にしていくべきだろう。
編集部 宗近 明
「MONEYzine 三原淳雄の辛口経済コラム」
http://moneyzine.jp/article/corner/39/三原淳雄の言いたい放題
http://www.mihara-atsuo.com/index.html